「タクシー・ドライバー/Taxi Driver」



タクシードライバーとして働く帰還兵のトラビス。戦争で心に深い傷を負った彼は次第に孤独な人間へと変貌していく。汚れきった都会,ひとりの女への叶わぬ想いーそんな日々のフラストレーションが14歳の売春婦との出逢いをきっかけに,トラビスを過激な行動へと駆り立てる!!映画史上,最も力強く心に深く染入るクライマックス。そしてデ・ニーロの演技とスコセッシの演出が本作を比類ない作品に仕上げている。

タクシードライバー コレクターズ・エディション [DVD]



先日(2008年6月)、秋葉原で無差別通り魔殺傷事件が発生、多くの犠牲者を出したのは記憶に新しいところです。
社会不適合者であると烙印を押された人間、または自分でそう思い込んでしまった者が鬱積した怒りや負のエネルギーを最悪の形で吐き出した悲惨な結果となりました。
この手の話って今に始まったことではなく、勝手に疎外感を持ってしまって他人を殺傷してしまう人って昔から居たようです。
例えば戦時中に起こった「津山30人殺し事件」などはその典型でしょう。
当然、周囲からすれば迷惑甚だしい話ですし被害者や遺族からすれば、絶対に許せない事件でしかないわけで、なかなか社会と個人の関係、距離感って難しいなと考えさせられる話ではあります。

本作はまさに社会不適合者である主人公トラヴィスをロバート・デ・ニーロが熱演している名作です。
監督は巨匠:マーティン・スコセッシ。
このスコセッシとデ・ニーロコンビは本作以外にも「グッドフェローズ」や「ミーン・ストリート」、「カジノ」、「レイジング・ブル」など数々の傑作を生み出す黄金コンビとして知られています。
まー、デ・ニーロのイカレっぷりが凄いです。いつもそうです
が、彼は鬼気迫る演技をしますね。出演当時、娼婦役のジョディ・フォスターが13歳だったという
ことも話題になりました。
可愛いですよね~。色っぽいですし。
タクシードライバーとしてNYを徘徊しながら荒廃しきった現実を知るうちに、この俺が街を浄化してやる!と歪んだ正義感を持つトラヴィス。偶然知り合った娼婦アイリス(ジョディ・フォスター)を助けようとするトラヴィスの結末は・・・というストーリー。

このままじゃ駄目だと分かっていながら何も出来ない自分に対するもどかしさ、無力感って誰でも一度は経験あるはずです。
トラヴィスに共感する方も多いのではないでしょうか。
マニア向けかも知れませんが、お奨めです。


マーティン・スコセッシ(監督)
アメリカの映画監督、72年の「ミーン・ストリート」で独自のスタイルを確立し、76年にはロバート・デ・ニーロを主演に迎えた「タクシードライバー」が大反響を呼ぶ。以後、2人のコラボレーションで「ニューヨーク・ニューヨーク」「レイジンブ・ブル」「キング・オブ・コメディ」「グッドフェローズ」など多くの作品を生み出した。
2001年の「ギャング・オブ・ニューヨーク」からは「アビエイター」などレオナルド・ディカプリオとのコンビ作が続いている。
また、マイケル・ジャクソンのミュージック・クリップ“BAD”の演出も手掛けている事でも知られる。