「陪審員」


1996年 アメリカ映画

監督 ブライアン・ギブソン

出演  デミ・ムーア, アレック・ボールドウィン


デミ・ムーア主演による法廷サスペンスドラマ。殺し屋に狙われた息子の命を守るために、陪審員に選ばれて出頭した法廷で嘘の証言をせざるを得なかったひとりの女性の葛藤を描く。
脚本は『羊たちの沈黙』のテッド・ダリー。


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日本でも導入が検討されている裁判員制度ですが、ほんまかいなとも思いますね。
いざ始まってみたら、町内の掃除当番やマンションの組合理事長とかと同様、いやそれ以上に面倒臭くてやってられないのではないでしょうか。
私など極端な面倒くさがり屋なので、よほど高い日当でも貰えない限りやりたいとは思わないですよ。
身柄も拘束されますしね。
また、判決を下す立場になってしまうと、裁かれる側からの恨みを恐れて甘い裁定を下してしまったり、あるいは、逆に感情的になって遺族による復讐のような票決にならないとも限りません。
人が人を裁くという制度である以上は、このような問題が生まれても仕方が無いと思うんですがどうなんでしょうか。
裁判員の個人情報は完全に護られると言われていますがどこまで信用出来るものなのかも疑問です。昨今の国の不祥事を見るにつけ、国の信用は揺らぐばかりですからねぇ。

この映画は、裁判員制度導入が現実化した現在の私達には他人事ではない内容になっています。
主演はデミ・ムーア。助演にアレック・ボールドウィン。私は大のアレックファンでして、彼が出演した作品は必ずチェックするようにしているんですが、この作品は彼の出演作の中でも白眉の出来だと思います。
アレックの最大の魅力は、その容姿よりもセリフの言い回しだと個人的には解釈しています。
例の、ささやき=”ウィスパー”ですね。このささやき声で静かに脅されりゃ誰だってビビりますって。
勿論、容姿もいいです。若干金の入った柔らかそうな髪に透き通った蒼目。
私らアジアンには逆立ちしてもこんな魅力は出せそうにありません。

さて、本作ですが、陪審員に選ばれたデミ扮するアニーが被告のファミリー(マフィア)から遣わされたアレック扮するヴィンスから脅迫されるという、陪審員制度に真正面から疑義を呈
するような内容になっています。さすが自由の国アメリカですね。
こんな、国に挑戦するような映画を放映出来るとは懐が深いことです。
悪魔のようなヴィンスと、子供を持ちながら戦うアニー。アメリカ人が喜びそうな題材ではあります。
強い母親であり戦う女であるアニーをデミが演じるのは適役でしょうね。


アレック・ボールドウィン
80年、TVドラマでデビューして、90年の「レッド・オクトーバーを追え!」でCIAアナリスト、ジャック・ライアンを演じて一躍注目される。
2003年に出演した2003年作品の「The Cooler」ではカジノのボス役で出演しアカデミー賞の助演男優賞にもノミネートされた。